マッチポイント

遅ればせながら、マッチポイントを今日見てきました。朝7時に、母からの「保険証送れ」コールで、目が覚めて、思いつきで見に行くことに。9:35〜上映がちょうどあったので、シネマックスへ。
運のある人間と言うのはとことんついているものなのでしょうかね。私はなみ大抵の運しか持ち合わせていないので、主人公の強運っぷりに軽く嫉妬してしまった。ただ、運があるからといって幸せになれるかといえば、そうでもなくて。運があって財を手にしていても、思い悩むことが無い人生なんてなくて、そもそも頭がクラクラするほど生きることにうんざりしながら、悠々と生きていくのが大抵の人間で。そこで、うんざりしすぎてしまう人は死んでしまいますから。やはりソクラテスの言う「生まれてこないほうがよかった」なのですかね。
この映画は、主人公が単純で不誠実でズルくて、実に人間らしかったところがとてもよかったです。一見とっても真面目で気のきく好青年が、ちょっとしたはずみで過ちを犯しててしったかのよにも思えるけど、これは欲望に忠実で足を踏み外すことの嫌いな青年だったからこその過ちだったのでは。ただ、欲望に忠実でなく、足を踏み外すことの嫌いではない人などほとんどいないと思いますが。だからとても面白かったです。